はじめに
ED(勃起不全)治療薬の「シアリス」が、ドラッグストアでも購入できるようになりました。2026年7月31日に一部の店舗で販売が始まり、8月31日からは全国で発売されています。ED治療薬が市販薬として販売されるのは、日本で初めてのことです。
「病院に行かなくても買えるなら」と気になっている方も多いのではないでしょうか。一方で、市販のシアリスには購入時の確認や数量の制限など、知っておきたいルールもあります。本記事では、市販のシアリスの概要とメリット・注意点、そして医師の処方を受ける場合との違いを解説します。
市販のシアリスとは
市販のシアリスは、医療機関で処方されているシアリスと同じ有効成分「タダラフィル」を含むED治療薬です。医療用医薬品から市販薬に切り替わった「スイッチOTC医薬品」で、エスエス製薬から発売されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 有効成分・含有量 | タダラフィル 10mg(1錠あたり) |
| 内容量・価格 | 4錠入り 5,808円(税込) |
| 分類 | 要指導医薬品(薬剤師による対面での確認・説明が必要) |
| 購入できる方 | 18歳以上の男性(ご本人のみ) |
| 販売開始 | 2026年7月31日(一部店舗)、8月31日(全国) |
| 購入数 | 1回の購入につき1箱まで |
※ 価格・販売店舗・購入条件は2026年9月時点の発表内容です。最新の情報はメーカーや販売店でご確認ください。
市販薬のメリット
市販のシアリスの一番のメリットは、医師の処方箋がなくても、ドラッグストアの店頭で購入できることです。医療機関を受診する時間が取れない方や、「まずは試してみたい」という方にとっては、ED治療薬を手に入れるハードルが下がったといえます。
また、正規のメーカー品を国内の店舗で購入できるため、インターネットの個人輸入などで出回っている偽造品のリスクを避けられる点も大きな利点です。
店頭で購入するまでの流れ
市販のシアリスは「要指導医薬品」に指定されているため、一般的な市販薬のように棚から取ってレジに持っていくことはできません。購入までは、おおむね次のような流れになります。

- チェックシートに回答する:持病や服用中の薬、体の状態などを確認するチェックシートに答えます(メーカーのウェブサイトなどで事前に回答することもできます)。
- 薬剤師に確認してもらう:店頭で薬剤師にチェックシートの結果を見せ、服用して問題ないかを確認してもらいます。飲み方や注意点の説明も受けます。
- 購入する:薬剤師が服用可能と判断した場合に限り、1回につき1箱まで購入できます。
薬剤師が不在の時間帯は購入できないほか、ご本人以外の代理購入もできません。
購入前に知っておきたい注意点
店頭で、薬剤師に症状や持病を伝える必要がある
購入の際は、店頭で薬剤師と対面し、EDの症状や持病、服用中の薬について確認を受けます。ほかのお客さんがいる店内で相談することになるため、人目が気になる方や、担当する薬剤師が異性だと話しにくいと感じる方もいるかもしれません。
1回に買えるのは1箱(4錠)まで
乱用などを防ぐため、1回の購入は1箱までに制限されています。継続して使いたい場合は、そのたびに店舗へ足を運び、薬剤師の確認を受ける必要があります。
用量は10mgのみで、薬の種類も選べない
医療機関では、タダラフィルには5mg・10mg・20mgの用量があり、症状や体質に合わせて医師が調整します。また、シアリスのほかにバイアグラ(シルデナフィル)やレビトラ(バルデナフィル)など、特徴の異なる薬から選ぶこともできます。市販薬は10mgのシアリスのみのため、「効き目が物足りない」「副作用がつらい」と感じた場合に、用量や薬を変えることはできません。
持病や服用中の薬によっては購入できない
狭心症などの治療に使われる硝酸剤を服用している方は、血圧が急激に下がるおそれがあるため、シアリスを使用できません。心臓や血管の病気、血圧の異常、脳卒中の経験、肝臓や腎臓の病気などがある方も、店頭では購入できず、医師への相談をすすめられることがあります。
EDの背景にある病気に気づきにくい
EDは、糖尿病や高血圧、動脈硬化などの生活習慣病が原因で起こっていることもあり、体の不調の早いサインとなる場合があります。市販薬で症状だけを抑えていると、こうした病気に気づくきっかけを逃してしまうかもしれません。症状が続く場合や、薬が効きにくいと感じる場合は、一度医師に相談することをおすすめします。
オンライン診療で処方を受ける場合との違い
「店頭で相談するのは気が引ける」「自分に合う薬や用量を選びたい」という方には、オンライン診療という選択肢もあります。スマートフォンのビデオ通話で医師の診察を受け、処方されたお薬を自宅などで受け取れる方法です。

| 項目 | 市販のシアリス | オンライン診療(処方) |
|---|---|---|
| 相談する相手 | 店頭の薬剤師 | 医師 |
| 相談する場所 | ドラッグストアの店頭 | 自宅など、スマホがあればどこでも |
| 選べる薬 | シアリス(10mg)のみ | シアリス・バイアグラ・レビトラなどから、医師が症状に合わせて提案 |
| 用量の調整 | できない | 医師の判断で調整できる |
| 一度に入手できる量 | 1回1箱(4錠)まで | 医師の判断による |
| 受け取り方 | 店頭で受け取る | 自宅やご指定の場所に届く |
市販薬とオンライン診療は、どちらが優れているというものではありません。「手軽さ」を重視するなら市販薬、「人に知られずに相談したい」「自分に合った薬を医師と相談して選びたい」なら、オンライン診療が向いているといえるでしょう。なお、メーカーはオンラインで薬剤師の確認を受けて購入する方法も準備中と案内しています。
当院のオンライン診療の流れはオンライン診療について、ED治療薬の料金は料金ページでご案内しています。
「処方箋なしで買える」をうたうネット販売に注意
市販化をきっかけに、「処方箋不要」「診察なしですぐ買える」とうたってED治療薬を販売するサイトが目につくことがあります。市販のシアリスは、薬剤師の確認なしに購入できる薬ではありません。こうしたサイトでは、偽造品が混ざっているおそれもあります。偽造品の危険性についてはバイアグラを安全に購入する方法で詳しく解説しています。
まとめ
シアリスが市販薬としてドラッグストアで購入できるようになり、ED治療薬を手に入れる選択肢が広がりました。一方で、市販のシアリスには、薬剤師との対面での確認、1回1箱までの購入制限、用量が10mgのみといった特徴もあります。
ご自身に合った薬や用量を医師と相談して決めたい方、店頭で相談するのに抵抗がある方は、ご自宅から受けられるオンライン診療も検討してみてください。