「昔と同じ生活なのにお腹が出てきた」「筋トレしても以前ほど体が変わらない」——その体型の変化は、意志や努力の問題ではなく、加齢による男性ホルモン(テストステロン)の低下が背景にあるかもしれません。原因と、当院の治療についてご説明します。
筋肉と体脂肪のバランス(体組成)は、テストステロンと深く関わっています。加齢や運動不足のせいと片付けられがちですが、複数当てはまる場合は注意が必要です。

特に内臓脂肪がつきやすくなり、ベルトの穴が変わってきた。
以前と同じように鍛えても、筋肉のつき方・張りが戻らない。
食事に気をつけても、思うように体脂肪が減らなくなった。
少し食べただけで太りやすく、痩せにくい体質になった気がする。
筋肉が落ちて、全体的にたるんだ・老けた印象になってきた。
運動後の疲労が抜けにくく、活動量そのものが減ってきた。
筋肉の合成と体脂肪の代謝には、男性ホルモン「テストステロン」が中心的な役割を果たしています。

テストステロンには、摂取したタンパク質を筋肉に変える「タンパク同化作用」と、体脂肪の蓄積を抑える働きがあります。加齢やストレスでテストステロンが低下すると、同じ運動・食事をしていても筋肉が減り、体脂肪(特に内臓脂肪)が増えやすくなります。
やっかいなのは、これが悪循環を生むことです。筋肉が減ると基礎代謝が落ちてさらに脂肪が増え、増えた内臓脂肪の脂肪細胞がテストステロンを女性ホルモンに変換してしまうため、テストステロンがいっそう低下します。「頑張っても体が変わらない」背景には、こうしたホルモンの変化が隠れていることがあります。テストステロンの働きについてはテストステロンの効果のコラムもご覧ください。
体組成の変化は、テストステロンの低下に生活習慣が重なって進行します。
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 加齢によるテストステロン低下 | 20代をピークに減少し、筋肉を維持・合成する力と脂肪燃焼の働きが弱まります。 |
| 運動不足・筋肉量の減少 | 筋肉への刺激が減ると分泌の指令も弱まり、代謝が落ちて脂肪が増えます。 |
| 内臓脂肪の蓄積 | 脂肪細胞の酵素がテストステロンを女性ホルモンへ変換し、低下を加速させます。 |
| 睡眠不足 | テストステロンは睡眠中に多く作られるため、睡眠の乱れが分泌を妨げます。 |
| 過度な食事制限・偏り | 材料となる良質な脂質やタンパク質の不足が、ホルモン生成と筋肉維持を妨げます。 |
体組成の乱れは見た目だけの問題ではなく、健康リスクとホルモンの悪循環につながります。
内臓脂肪の増加と筋肉量の低下が進むと、メタボリックシンドロームや糖尿病・高血圧・脂質異常症といった生活習慣病のリスクが高まります。さらに、脂肪の増加がテストステロンをいっそう低下させる悪循環に入ると、疲労感・意欲の低下・性機能の衰えなど、体型以外の不調も現れやすくなります。
「中年だから仕方ない」と諦める前に、まずはご自身のテストステロンの状態を知ることが第一歩です。血液検査で数値を確認すれば、体型の変化がホルモンによるものかを客観的に把握できます。疲れやすさを伴う場合は疲れやすいのは何の病気?のコラムもご参考ください。
当院では、ご自身でテストステロンを「つくる力」を高めることを基本としたテストステロン増強治療を行っています。

体組成の改善には、テストステロンを適切な状態に整えたうえで、運動・食事などの生活習慣とあわせて取り組むことが効果的です。当院はまずご自身が産生する力を高めるアプローチを基本に、必要に応じて「補う」「支える」治療を組み合わせ、お一人おひとりの状態に合わせて設計します。筋力や体脂肪といった体組成の変化は、比較的ゆっくり(3か月〜1年程度)現れる領域です(効果の現れ方には個人差があります)。
治療にあたっては、血液検査でテストステロン値や健康状態を確認したうえで、医師がプランをご提案します。テストステロン増強治療は自由診療(保険適用外)です。自力でできる対策はテストステロンを増やす方法のコラムもあわせてご覧ください。